このカフェの名前は、TAKEYA。「竹瓦温泉が大好きだから、この場所で。温泉あがりにゆっくりできるカフェを作ろうと思ったの」という民子ママがつくったお店だ。一生懸命なママに、JR九州駅弁対決のお弁当作りの話が持ち上がった。二つ返事で受けたママ。長男の奥さん、和代さんと一緒に研究を重ねてできあがった、地元の食材が詰まった「たみこの夢弁当」は、努力の結果、九州駅弁ランキングで2年連続2位を受賞するまでとなった。
今ではすっかり名物の「たみ子の夢弁当」は店頭での直接販売は行っておらず、2日前までにJRみどりの窓口にて駅弁引換券を購入すると、10時〜14時のあいだにお店で受け取ることができる。事前に引換券を購入しそびれても、駅構内の「別府銘品蔵」で購入できるが、数量限定なので早い者勝ちだ。お店では、注文を受けてから揚げる外がカリカリのカレーパンもたまらなく魅力的なおやつ。
「夢」が実るお菓子たち
ケーキ屋さんは小さなころの夢として、誰もが一度は思い描いたことがあるのでは。
「小さなころ、両親は働いていて忙しかったから、おばあちゃんがよく家でお菓子を作ってくれたんです。それがうれしくて、人に喜んでもらおうと私自身も小学校にあがる前からホットケーキや電子レンジを使った蒸しケーキなど、いろいろと作っていました。それがこの仕事に就くきっかけでした」と原田さん。驚くことに、「夢の樹」という店名は中学のころには決めていたのだとか。高校卒業後、さまざまなお店で修業を積み、故郷の別府でお店をオープンした。
「全員集合!」原田さんの掛け声で、スタッフが集まる。お店のスタッフは、原田さんを含めて3人。「お客さんに対して、私たちで出来ることは精一杯やりたいですね」と原田さんが言うと、3人とも微笑んだ。
『旅手帖beppu』や別府にゆかりのあるアーティスト・蛭子未央さんとのコラボレーションクッキーも、旅のお土産にはうれしい。さらに2016年8月には2号店となる「与八郎 Café&Sweets」が鉄輪にオープンした。
温かい空気が流れる店内に並べられた、夢が詰まったスイーツ。「夢の樹」に実った果実たちが、別府のまちじゅうで、笑顔と幸せの種になっているのだなぁ。
<自家製の栗の甘露煮が丸ごと一粒入ったモンブラン「くりの樹」>
パティスリー夢の樹
パティスリーユメノキ
住所 | 別府市北浜1-4-24 |
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営業時間 | 10:00〜21:30 |
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休日 | 水曜、第1・第3火曜 |
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電話番号 | 0977-22-5109 |
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駐車場 | なし |
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オススメ 商品 | くりの樹 380円+税 |
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明治から漂う、さわやかなゆずの香り
竹瓦小路には良い香りが漂っていた。木のぬくもりを感じながらアーケードを進んでいくと、小路の先に何かの皮がこんもりと盛られたザルが置かれていた。「塩月堂」と書かれたお店に入って話を聞くと、ざぼんの皮を干しているのだという。ショーケースの中には、ゆずやざぼんを使ったお菓子や入浴剤などが並んでいる。
店内に飾られたモノクロ写真には、昔のお店も写っていた。「大正初期」と書かれた写真に写るのは、着物に身を包んで歩く女性たち。「お店の前は『流川通り』といって、昔はすごく栄えていたんです」と、ご主人。写真に写っている橋の欄干の一部は、今も残っているのだそう。お土産に、と買ったゆずまんを片手に、今は車と人が行き来する流川通りを足早に渡る。昔は雅な通りだったのだろう。
塩月堂
シオツキドウ
住所 | 別府市元町14-16 |
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営業時間 | 9:00〜20:00 |
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休日 | 第1・第3日曜 |
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電話番号 | 0977-23-0664 |
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駐車場 | なし |
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オススメ 商品 | ゆずまん 130円 |
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今も昔も変わらずに
その建物の大きさは想像以上だった。これが竹瓦温泉。せっかくなので、建物の周りも歩いてみることにした。足を踏み入れるのを迷ってしまうくらいひっそりとした横道に入ると、なんだか建物の影に隠れた気分。少し開いた窓からは高い天井が見え、楽しそうな人の声がこだましている。地面の隙間からは湯気がもくもく立ち昇っていた。
そのうちに見えてきた、小さいけれど立派な入り口はどうやら昔のもののよう。建物の角に立ち、両方の入り口を眺めてみた。
旅人とまちの人を迎え入れる温泉は、今も昔も変わらずここにある。
>まちのおフロにおじゃまします<
威風堂々。
どっしりそびえ立つ豪壮な建物。
お寺? 旅館?
いいえ、ここはみんなが集う公共の湯。
「竹瓦温泉」へようこそ。
「はい、いらっしゃい」
番台のお母さんの笑顔が迎えてくれた。
「お風呂は100円よ。うちは洗面器しかないからね。タオルは持ってる?」差し出されたタオルにはレトロなイラストがプリントされている。旅の思い出にと1枚購入した。
「お風呂はのれんの奥よ。ごゆっくりしていってね」
広間に足を踏み入れたら、時が止まっているような静かな空間が広がっていた。チクタクチクタクと、古時計がゆっくりと時をすすめる。「時間はあるよ。ゆっくり休んでいきなさい」って言ってくれているみたい。
えんじ色ののれんと日本髪の女性のシルエットが掲げられているのが女湯の入り口。
のれんをくぐったとたんに、温泉の気配をしっかりと感じる。ほのかな温かさを帯びた空気はしっとりとやわらかくて、なんだか固まっていた心がほぐれていくようだった。脱衣所と浴室の間には、壁も扉もない。脱衣所の手すりから身を乗り出すと、U字型の浴槽が見えた。
かかり湯で体にお湯の熱さを教えて、そろそろと身を沈める。手足を広げてグーッと背伸びをしたら思わず声が出てしまった。極楽極楽……。
吹き抜けの高い天井を見上げながら、ぼーっとお湯に沈んでいると「気持ちいいかい?」とおばあちゃんの声。
「ここのお湯はやわくてよかろ。もう何十年も通いよる」とニッコリ笑って、昔話のはじまりはじまり。かわいいおばあちゃんともっとゆっくりお話ししたかったけれど、体はすでにのぼせる直前。
「ごゆっくり」
浴室を後にすると、ほてった体を脱衣所にしつらえられたベンチにあずけて、ひと休み。
長い間使い込まれたあめ色のロッカーとまんまる鏡がとても愛らしかった。
<竹瓦温泉の入り方>
その1、 用具はイスと洗面器のみ
アメニティはご自身で
その2、 脱衣所入口のドアは開いたまま
気になる方は奥の方へ
その3、 入浴前に下半身を綺麗に洗うこと
その4、 湯船のふちに腰かけない
その5、 源泉温度は少々熱め
ぬる湯好きの方は壁際の水道そばがおすすめ
その6、 湯あがりは広い休憩所でのんびりと
みんなの温泉です。
ルールを守って気持ちよく、楽しく入りましょう。
「ああ、いいお湯やった」
髪をふきふき、ほんのり赤ら顔したおじいちゃんのお風呂セットを拝見。くたくたのナイロン袋の中には使い込まれた洗面器とボディタオル、そして大きな石鹸箱。
「こりゃ牛乳の石鹸じゃ。こんな大きな石鹸を使いようもんはおらんじゃろう。やっぱぁこれがいい」牛乳の石鹸もしあわせものだ。
もう1つ、ナイロン袋につながれた定期入れ。差し込まれた紙には1〜180までの数字と赤○印。
「これはな、年とるともらえるお風呂の券じゃ。ええじゃろ」
ハッハッハとちょっぴり自慢気なおじいちゃん。180回分ですか?と尋ねると
「そう、180『日』分」
そうか、ここは湯のまち別府。温泉は毎日のお風呂だ。なんて贅沢。うらやましい!
竹瓦温泉
タケガワラオンセン
住所 | 別府市元町16-23 |
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営業時間 | 普通湯 6:30〜22:30 砂湯 8:00〜22:30(最終受付21:30 ※混雑状況により早まることもあり) |
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休日 | 普通湯 なし(※年末清掃による臨時休館あり)/砂湯 第3水曜(祝日の場合翌日) |
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電話番号 | 0977-23-1585 |
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駐車場 | なし |
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オススメ 商品 | 普通湯 100円/砂湯 1030円 |
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