スイーツ巡り 別府

オシャレなコーヒースタンドから昔ながらの喫茶店まで、別府の町にはたくさんのカフェがあります。
ぜひ、お気に入りのカフェを見つけてくださいね。

introduction

旅をするとカフェに入るのが私の定番。
観光やショッピングに疲れたら、ちょっとひと休みしたいし、コーヒーだけじゃなく、美味しいスイーツも楽しみたい!
そんなワガママな私の願いを叶えてくれる、別府のおススメのカフェをご紹介します。

上:DIG COFFEE アップルパイ
外はさくさく、中はしっとり。林檎がたっぷり入ったアップルパイ。
甘すぎないのでぺろりと食べられます。1個が大きめなので、お友達と2人でシェアするとちょうどいいかも。お願いすれば半分にカットして出してくれます。

下:岡本屋売店 元祖地獄蒸しプリン
駅前のお土産屋さんでも売っていますが、お店で食べるのがおススメ。
苦めのカラメルと濃厚な甘さが絶妙なバランスです!

本記事で紹介されているスポット一覧

自分の舌と感覚でおいしいものを

別府大学駅前の坂を少し登ると、アットホームな外観の一軒のカフェがある。サッシを開けて店内に入ると、奥のテーブルでは先客の女子大生4人がパフェを囲んでいた。

 

 

ゆったりと腰掛けたいすの壁面に展示されていたカプチーノアートの写真に惹かれて注文すると「イケメンさんと美人さんの顔は難しいけど、だいたい何でも描けるよ。何を描きましょうか?」と気さくな受け答え。

 

 

路地で見かけた猫の姿を思い出し、猫をリクエストすると、丁寧に淹れたコーヒーにふわふわのミルクを乗せ、そこに繊細な手つきで串を下ろして猫を描き始めた。数分待つと、ぴんと尻尾の立ったおすまし顔がカップの中にふわりと浮いてやってきた。見た目だけでなく、驚いたのはその味だった。ミルクによって引き立てられたコーヒーのコクが、口に含むたびにふくよかに広がる。

 

 

入り口のショーケースには、りんごや桃、ブルーベリーなど季節のフルーツをふんだんに使った、色とりどりのケーキやタルトが並ぶ。「アップルパイ」が気になったけど、あいにく今日は売り切れ。どれにしようか迷っていると、店主の堀さんが「べっぴょん カボスのレアチーズ」を勧めてくれた。大分県の特産カボスの風味がほのかに香る、しっとりしたレアチーズケーキだ。別府市のキャラクター「べっぴょん」をかたどったケーキは、食べるのがもったいないくらい可愛らしい。フォークを入れるのをためらいながらも、一口食べるとその美味しさに手が止まらなくなる。コーヒーとの相性も抜群だ。

 

 

コーヒー豆は、別府市内にある最高級豆を扱う喫茶店「珈琲専科 グリーンスポット」から取り寄せるブラジリアンブレンド。全国からいろいろ試してみたけれど、結局ここの豆がいちばんだったという。人気のカプチーノなど、ミルクとの相性が抜群とのこと。堀さんにとってグリーンスポットのオーナーは「何十年もの人生が、1杯のコーヒーからにじみ出ている。尊敬しますね」と敬う存在。

そこに、娘さんを抱っこした奥さんがお店に入ってきた。娘さんはカウンター越しにお父さんからバナナをもらい、うれしそうにほおばる。実は、娘さんの名前は、父親のように慕っている常連のおじいさんにヒントを得て付けられたのだとか。

 

 

季節感を大事に、自分の舌と感覚でおいしいものを選ぶ。それが堀さんのシンプルなこだわりだ。

「この仕事は、お客様の喜びがわかりやすいでしょう。自分の作ったケーキや淹れたコーヒーはおいしい。お店で食べてくれる人はもちろん、おみやげとしてこのケーキを買ってくれて、そのケーキを贈られた人の、喜んでいる表情まで想像できちゃう。すごいでしょう」。

 

 

次は農業がしたいと、夢を話してくれた。自宅の庭に「DIG農園」という畑を作っているのだとか。そこで採れた野菜をメニューに取り入れたいそう。堀さんの苗字をそのまま付けた「DIG coffee」。名前のとおり、尽きることない探究心がこれからも続いていく。

DIG coffee

ディグコーヒー

住所別府市上人南2組
営業時間10:00〜20:00
休日不定休
電話番号0977-67-0029
駐車場3台
オススメ
商品
べっぴょん かぼすのレアチーズ 420円

自然の厳しさと向き合いながら、温泉の恵みに感謝しているんですよ

「たまごサンドが昔から大好きだったんですよ」と語るのは、湯の花小屋が立ち並ぶ明礬温泉エリアにある『岡本屋売店』の岩瀬さん。「でもね、前から見たらたっぷり入っているのに、封を開けたら具が少ない! なんてこともめずらしくなくて。あれ本当にがっかりするんですよ。だからうちのには、たまごをぎっしり詰めたんです」。温泉の蒸気で蒸した『地獄蒸したまご』を2~3個も使った『地獄蒸したまごサンド』は、岩瀬さんの理想のたまごサンドとして生み出された。


 

『岡本屋売店』の広い駐車場からは市街地が一望できるので、遠くに見える別府湾や湯けむりを背景に写真を撮る人も多い。
車を降りると、濃厚な硫黄の匂いに包まれた。聞けば、このエリアには鉄製品がすぐに錆びてしまうくらい強烈な温泉成分が空気中に漂っているのだという。でも、そのおかげでコクのある『地獄蒸したまご』ができるのだ。
「温泉があるから仕事ができる。自然の厳しさと向き合いながら、温泉の恵みに感謝しているんですよ」


 

岩瀬さんのお父さんが『岡本屋売店』を始めたのは40年前。当時は観光より湯治目的の人が多く、明礬行きのバスは2時間に1本程度しかなかったという。『岡本屋売店』は、温泉ブームによって盛りあがったり、不景気で観光産業全体が下降気味になったりと、移り行く時代の中で変化しながら徐々に大きくなっていった。観光客はもちろん、地元のお客さんが足繁く通い、県外の親戚や友人を連れて来るなど、人が人を呼ぶようになったのだそう。



遠方からもわざわざ訪れる人がいるほど人気が高い手作りの『地獄蒸しプリン』は、カスタードやコーヒーなどが並ぶほか、季節限定の味も登場する。そのプリンがまるごと乗った『地獄パフェ』や、500円で8~10ピースも入ったボリュームのある『とり天』など魅力的なメニューは、岩瀬さんの「お客さんを喜ばせたい」という気持ちを原動力に生み出されているのだろう。



お店の看板犬、チャーリー君は人と動物が大好きで、散歩嫌いの「犬っぽくない犬」。寒さに弱いので店内にいることも多いが、誰かが相手をしてくれないとすぐ寝てしまうらしい。
『地獄蒸したまごサンド』を注文し外の椅子に腰かけると、うれしそうに尻尾を振るチャーリー君がやってきた。一切れが分厚くずっしりと重いけれど、食感は軽いサンドイッチをひとくち頬張る。「この景色の中で、この場所ごと味わってもらいたいんです」と語る岩瀬さんの笑顔や硫黄の匂いとともに、シンプルな味わいが心にまで染み込んで来るようだった。

岡本屋売店

オカモトヤバイテン

住所別府市明礬3組
営業時間8:30〜18:30
休日無休
電話番号0977-66-3800
駐車場24台
オススメ
商品
地獄蒸したまごサンド 500円 ※税込価格