公園のベンチで双子の女の子が仲良くおやつタイム。おもちみたいなほっぺいっぱいにおやつをほおばっている。公園の前にある和菓子屋さんで買ったものらしい。
別府で昔から食べられているという石垣もちやおはぎが並んだショーケースの前であれこれ迷っていると、近所のおばあちゃんが「明日、これ2箱な」とお赤飯を注文して、いなくなってしまった。名前なんて聞かなくても店の人は常連さんの顔は覚えているらしく、すみやかに何事かをメモに書き付けていた。

さんざん迷った末、三色だんごに決定。「すぐ食べるから」と包装を断り、近くの自動販売機でお茶も準備。子どもたちの元気な声を聞きながら、木陰で食べる三色だんごはとっても平和な味がした。

店の前を再び通ると高く積み上げられた蒸篭(せいろ)の上に、先ほどお店のショーケースで見かけた石垣もちがのっている。覗き込んでいると、ご主人が裏口から出てきたので、美味しかったとご挨拶。「ありがとう、よかった。朝4時から仕込みしてて、ちょっと休憩中」と4代目の秀幸さんが厨房の中を見せてくれた。毎日、お父さんとお母さん、秀幸さんと奥さん、みんなで1日中作りつづけているのだそうだ。
話をしている間にもお店には色んな世代のお客さんがやってくる。

「子どももよく来るんですよ。夕方は学校を終えた小学生が100円玉をにぎりしめておやつを買いに来たり、もう少し遅い時間には部活前の中高生が腹ごしらえのために買いに来たりするんですよ。朝はお年寄り、昼過ぎは主婦、夕方、子どもってね」

きっと、お家のおばあちゃんが買ってきたおやつを食べ慣れた子どもが、自分のおこづかいで買いに行くようになって、また自分の子どもに食べさせて、という風にずっとつづいてきたのだろう。
それにしても、おこづかいでこんな美味しいおだんごを買い食いできるなんてうらやましい。
