刺激的なコトを生み出す場

カフェ、レストラン、ギャラリー……「PUNTO PRECOG」は、様々な人の交流拠点として2012年「中央市場」にオープンした。オーナーの中村さんは東京出身。震災以降、地方に仕事の拠点を構えたいという想いから、京都、淡路島などを訪ね、活動場所を探していたという。初めて別府を訪れたのは2011年7月。昭和の名残が強い中央市場独特の雰囲気に惹かれて現在の店舗に決めた。2週間の工期中、近所の人が毎日様子を見に来て話しかけてくれたのだとか。オープニングパーティーには溢れんばかりの人が集まったという。「近所の金物屋さんや、よく行く居酒屋のお母さんやおかまバーのママまでお祝いを持って来てくれました」

 

<オーナーの中村さん(右)はイベント企画制作会社「precog」代表>

 

「別府で興味深いのは温泉がコミュニティを支えていること。井戸端会議が盛んで、憧れます」と中村さん。仕事で切羽詰まったときに、共同湯で一緒になったおばちゃんと話して気持ちが安らいだのだとか。「翌日も一緒になって、タオルを忘れてしまった私に貸してくれたんです。使った後のタオルだったけど」と笑う。別府には外の人を受け入れる懐の深さを感じるという。「『PUNTO』もそういう場でありたい。古今東西からいろんな人が集まり、有機的な交流が生まれ、刺激的なコトを生み出す場」。

 

<管理人の中野さん>

 

オープンから年月が経ち、現在は、別府に住まう中野さんが管理人をつとめ、おいしい食べ物やこだわりの生活を発信するためのフリースペースとして、様々な店主がオリジナルのお店を提案してきた。最近では、ここ「PUNTO」で期間限定の店主をしたことがきっかけで、別府に移住し、自分たちのお店を本格的に構え始めた人たちがたくさんいる。

 

<期間限定で「Fair Trade Cafe CARMELA」を出店する岡本さんは立命館アジア太平洋大学の学生でもある(※2016年10月現在)>

 

「ヒビノパン」(今は別府から豊後高田に移転)「クーポノス」「コムディア」「Real Point」「喫茶ムムム」など、今、別府で個性が光る店舗の始まりは、この場所から。様々な土地から、独自の視点を持って集まった店主たち。一定期間で変わるたびに、新しい客層のファンが増える。これからも食べ物を扱うお店にとどまらず、新しい文化発信・交流の場として、「PUNTO」は別府に風を吹かせ続けるだろう。

PUNTO PRECOG

プントプリコグ

住所別府市元町3
営業時間各店舗・イベントの営業時間に準ずる
※詳細はhttp://puntoprecog.jpをご確認ください
休日各店舗・イベントの営業時間に準ずる
駐車場なし