少しずつでも手作り

西日本の一部地域では、魚のすり身を揚げたものを「てんぷら」と呼ぶ。「味わい工房 杏」は、大正時代創業の老舗蒲鉾(かまぼこ)店「別府蒲鉾」の工場の片隅で小売りしていたてんぷらを「もっとたくさんのお客さんに食べてほしい」と、お弁当も販売する売店としてオープンした。

 

 

橙色ののれんをくぐると、黒塗りの器にずらりと並んだてんぷらと、女性店員の元気な声が迎えてくれた。「手作りのてんぷらって少ないやん。だから少しずつでも手作りにこだわって作り続けているの」と店主の清田さんは控えめに笑う。石の鉢で練りあげられた魚のすり身に、大きめに切った野菜を混ぜて食感を加える。添加物を一切使用せず、丁寧に仕上げられたてんぷらは、作ったその日のうちに食べてほしいと言う。地域はもちろん、県外から通う常連さんもいるというこのお店は、売り切れ次第閉店する。開店と同時に完売してしまったこともあったとか。

 

 

持ち帰り専用の店内には、揚げあがりを待つための椅子があり、近所のお母さんたちがおしゃべりを楽しんでいる。夕食に、と一度に数十個を購入する人も少なくない。

 

 

「ときどき無性に食べたくなるの」と言うお母さんに、おすすめの食べ方を聞いてみると「そのまま食べるのが1番」とのこと。お母さんの言う通り、揚げたてのてんぷらをそのままかじると、プリッとした食感と、噛み締めるたびに広がる魚の旨味と甘みに、夢中になって食べ進めてしまった。別府の素材がぎゅっと詰まった、ちょっと遠回りしてでも食べたい味だ。

あじわい工房 杏

アジワイコウボウ アンズ

住所別府市千代町10-4
営業時間10:00(弁当11:30)〜売り切れまで
休日日・月曜、祝日
電話番号0977-25-0255
駐車場なし
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商品
てんぷら 80円〜