非日常の世界を暮らすように楽しむ

別府は山の裾野に広がった斜面の町なので、比較的どの宿に泊まっても眺めがいい。海岸沿いなら格別で、なかでも全客室からのオーシャンビューを叶えているのが「晴海」だ。しかも、客室に源泉掛け流しの露天風呂付き。東に面しているので、一番風呂は、美しいピンク色の朝焼けに包まれる。

立ち寄り入浴は受け付けていないものの、食事処を利用すると、1階にある「潮騒の湯」に無料で入浴できる。潮騒の湯は海が間近で「湯船に深く身を沈めると目線が海面と同じくらいになるので、みなさん海に浸かっているみたいとおっしゃいます」という。上人ケ浜に打ち寄せる波の音が、天然のBGMだ。

 

 

上人ケ浜にある晴海のそばには、昔、久留米絣で財をなした国武 金太郎の別荘があった。「別府に近代建築様式の別荘が次々に建てられた頃、昭和2年に完成した国武別荘は、主亡きあと、戦後に九州電力の保養所として受け継がれました。ところが最近になって、それが取り壊されるという話が浮上したんです。それを知って、華やかな時代を象徴するこの建物を次の世代へ残したいと、旅館として改装することにしたんです」。2016年4月27日、3,500坪の敷地に17棟の離れが点在する「GAHAMA terrace」がオープンした。

 

 

「GAHAMA」とは、地元の人が上人ケ浜のことを「がはま」と呼ぶことにちなんでいるのだという。加えて、この地を「照らす」光でありたいとの思いがその名前に込められている。

離れのタイプは6タイプあり、もちろん全室温泉付き。最も贅沢なのが「Parkside villa」で、温水プールやウォークインクローゼットまであるラグジュアリーな雰囲気だ。

 

 

「KUNITAKE villa」は唯一、国武別荘の建物を再利用したものらしい。「離れのなかでも最も部屋数が多く、3世代での家族旅行やグループ旅行にぴったりです。温泉はさながら大浴場くらいの広さがあり、昨日もご近所さん同士が宿泊してくださっていました」。実はこの棟には、1か所壁が傾いているところがある。オープン直前に起きた大地震で、傾いてしまったのだという。「まっすぐ戻すこともできましたが、これも歴史の一部として残すことにしたんです。すぐに耐震工事をして、なんとかオープンに間に合いました」。

 

 

「Wing villa」はオーシャンビューで、ここから隣接する上人ケ浜公園から別府海浜砂湯まで道が続いている。「ここを通って、自分の庭のようにいつでも自由に公園へ行けるんです。海の風に吹かれながら、松林を散策するのは気持ちいいですよ」。そういえば、ショップでスケッチブックと色鉛筆を売っていた。のんびり公園で絵を描くのも楽しそうだ。
どの棟も、非日常の世界を暮らすように楽しめる、まさに別荘のようだ。

 

 

割烹とレストランは、一般客の利用もできる。洋館を活かしたフレンチレストランは、晴海にないテイストで、メインを選べるミニコースのランチが人気。おすすめのハンバーグは、ゴツゴツして食べ応えがあり、上にフォアグラが乗っている。食後に、提供する寸前にカラメリゼするブリュレも付けて、とことん贅沢な気分を味わいたい。
そういえば、時計がどこにもかかっていなくて、すっかり時間のことを忘れていた。

 

潮騒の宿 晴海 / GAHAMA terrace

シオサイノヤド セイカイ / ガハマテラス

住所【潮騒の宿 晴海】別府市上人ヶ浜6-24【GAHAMA terrace】別府市上人ヶ浜5-32
営業時間【潮騒の宿 晴海】営業時間)IN15:00/OUT11:00、日本料理「玄」・海鮮料理「えいたろう」11:30-14:30 (LO13:30) /18:00〜22:00 (LO21:00) 、創作料理「BAN-YA」11:30-14:30 (LO13:30) / 17:30-22:30 (LO22:00)、スウィートバジル12:00−15:00、潮騒SPA海月・サロン・アール予約受付11:00−21:00、潮騒の湯〜22:00※食事利用の場合のみ使用可
【GAHAMA terrace】IN15:00/OUT11:00、割烹松秀・ビストロ ヴァンンーヴォ11:30〜14:30 (13:30) / 18:00-22:00 (LO21:00)
休日【潮騒の宿 晴海】不定【GAHAMA terrace】不定
電話番号【潮騒の宿 晴海】0977-66-6380【GAHAMA terrace】0977-66-8833
駐車場【潮騒の宿 晴海】60台【GAHAMA terrace】25台
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商品
牛肉ハンバーグフォアグラのせ 3024円(ビストロ ヴァンンーヴォ)