地獄イタリアンは、食べる「旅」

「Otto e Sette Oita」は、モダン湯治宿「柳屋」の奥にある。ここもかつては「サカエ家」の一部で、当時は純和風だった。今はモダンな印象に変わったが、洋テーブルも椅子も、年季が入って黒光りしている床の色としっくり馴染んで、昔からあるいいものと、新しくていいものがちょうどよく混ざり合った感じがする。

 


ユニークなのは、厨房に地獄釜が備えられていて、そこからシュワシュワ湯気がのぼっていること。その様子が、洗練されたレストランに、どこか別府らしい温かさをもたらしてくれているような気がする。地獄釜のあるオープンな厨房は、美味しい料理が生まれるライブ感も味わわせてくれる。

 


「柳屋」に宿泊してここで食事をするプランもあるし、普段のランチやディナーで利用することも可能。ただし、予約は必須だ。週末は特に。
人気の理由は、見目麗しい料理の数々。地元大分を中心に、シェフが自ら産地や生産者さんを訪ね、選りすぐった食材を使っている。そしてそれを、温泉の恩恵で調理するというイタリアンは、「地獄イタリアン」と呼ばれている。地獄釜で蒸した魚、温泉で茹でたパスタ。

 

 

「いやあ、地獄釜で料理するのは難しいですよ。毎日釜の状態が違うので。ご機嫌を伺いながら、こっちが釜の状態に合わせて分量ややり方を変えてあげます」と言うのは、その料理を食べにわざわざやって来るファンも多い梯シェフだ。料理だけではなく、それが盛り付けられている器の質感や色鮮やかさからも、シェフが料理に込めるこだりや愛情を感じる。

 


「柳屋に宿泊したお客さんが気に入ってくれて、チェックアウトしたあとランチを食べにくることもあります」。
ここで食事をするだけで、大分の食べ物も、大分の温泉も、全部味わった気がして、なんだか別府の旅を満喫した気分になれる。だから、別府が恋しくなったら、何度でもここに来たくなるのかもしれない。

Otto e Sette Oita

オットエセッテオオイタ

住所別府市鉄輪井田2組
営業時間11:30-15:00 (LO14:00) /18:00-22:00 (LO20:00)
休日火曜
電話番号0977-66-4411
駐車場10台
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ランチ 2560円